パワーナップとはどんな昼寝?

パワーナップ(Power Nap)とは文字どおり昼寝のことですが、ふつうの昼寝とちょっと違います。
15~20分ほど軽い仮眠を取ることによって、疲労回復などの効果を得ることを目指すためにする昼寝のことです。
パワーナップという言葉は、コーネル大学のジェームス・マースによって広まりました。
その効果に注目し、今ではナイキやGoogleのようなアメリカの企業だけでなく、日本の企業でも取り入れるところが増えています。

パワーナップの効果とは?

パワーナップの効果は先ほど触れた疲労回復だけではありません。
ストレスの軽減、記憶力や集中力の向上、それに伴い作業効率がアップするなどの効果があります。
なぜそのような効果が少し昼寝するだけで得られるのでしょうか?

それは、レム睡眠とノンレム睡眠という睡眠のメカニズムと関係しています。
レム睡眠とノンレム睡眠とは、睡眠の深さを示す言葉です。
「レム(REM)」とは眼球が高速で運動していることを示す言葉で、ノンレム睡眠とはそれがない状態の睡眠を指します。
眼球が高速運動をするのは眠りの浅い段階で、これがレム睡眠です。
パワーナップではノンレム睡眠の段階で目を覚まします。

ノンレム睡眠とは深い睡眠のことですが、細かく分けると4つのステージに分かれます。
そのうち眠ってから約20分後に訪れるステージ2の段階で目を覚ますのがコツです。
ノンレム睡眠のステージ2では、脳内のキャッシュメモリがクリアされます。
パソコンがそうであるように、脳もキャッシュをクリアすれば動作が軽くなる、つまり疲労が回復して心身ともに動作が軽くなるのです。

現代人はパソコンやスマホなどを肌見放さず持ち歩き、常に大量の情報を浴びています。
しかし、どんなに時代が進んでも人間の脳は基本的に原始時代と変わっていません。
そのため四六時中浴びせられる膨大な情報量によって、常にオーバーヒート状態になっているのが現代人の脳なのです。

パワーナップは、そんな慢性的に疲れ気味の脳を休ませる行為です。
午後に集中力がなくなりがちという人はぜひ取り入れてみてください。

スムーズなパワーナップのために

パワーナップはどこでもできます。
自宅のベッドに横になる必要はなく、椅子に腰かけたままでも眠れる姿勢なら大丈夫です。
ただし、20分ほど静かに眠れるような場所を確保しましょう。
うるさい場所や明るすぎる場所では眠れませんから、なるべく静かな場所を探し、暗くできない場合はアイマスクをつけるなどして工夫してください。

そしてこれが大切なのですが、パワーナップからスムーズに目覚めるには寝すぎないことです。
冒頭でも触れたように15~20分が理想ですが、長くても30分までにしてください。
30分以上になるとノンレム睡眠の次のステージに進んでしまい、目覚めにくくなってしまいます。